
春の里山に並ぶ茅葺き屋根の家や、青空に映える赤々とした紅葉―。
私たちの眺める景色には、山や河川といった自然、あるいは風景の一部を作り上げる橋やトンネル、民家などの建築物が存在します。
本展では、当館の所蔵作品から、風景とそこに表された建物をご紹介。例えば、国民的風景画家・川合玉堂は、豊かな自然景のなかに、昔ながらの木造橋や水車小屋を配した作品を残しています。一方、玉堂の孫弟子である奥田元宋は、あえて人物や建物を描かず、幽玄な四季の山々を展開しました。さらに、家屋の中と外の境界となる庭園や縁側の様子、また、国内外に実存する景色や建造物を描いた作品から、日本画のおける風景と建物の関係に注目します。
画家たちの表す多様な”眺め”をご覧いただき、旅先の光景を楽しむような気分に浸っていただければ幸いです。
●○●展覧会のみどころ●○●
長野県千曲市出身の日本美術院同人作家・倉島重友による、羊飼いと羊の群れを描いた《風渡る》を初展示します!
例年秋季に展示する奥田元宋《秋渓淙々(しゅうけいそうそう)》を、本展で特別公開!
展示場所も変更し、普段より作品に近づいて細部を観察できる絶好の機会です。
大正期の画壇で活躍し、おしどり画家として知られた池田輝方(てるかた)・蕉園(しょうえん)夫妻による美人画2 2点を、約8年ぶりに隣同士で並べてご紹介!
◆◇◆音声ガイドのご案内◆◇◆
展示中の主要作品を中心に、音声による作品解説を聴くことができます。
より深く楽しみたい方におすすめです。
- 貸出料金/1台 200円(税込)
- 貸出時間/9:30 – 17:00(入館受付終了時)