水野コレクションについて
水野コレクションは、明治期、新たな時代にふさわしい「日本画」の創造という岡倉天心の理想に共感し、近代日本画の確立に大きく貢献した橋本雅邦・横山大観・下村観山・菱田春草ら、初期日本美術院系作家を中心に構成しています。 巨匠・横山大観作品は36点を数え、この中には、大観の名を一躍世に知らしめた出世作《無我》三作のうち、幻の一作もあります。 また、大観の盟友であり信州が生んだ偉大な作家・菱田春草作品の蒐集には特に力を入れ、現在、初期から晩年に至るまでの38点という、全国でも有数の所蔵数を誇っています。
戦後から平成に活躍した日展の杉山寧、奥田元宋、高山辰雄、大山忠作、創画会の加山又造、院展の堅山南風、平山郁夫ら現代作家のコレクションには、伝統的な枠組みにしばられることなく、多様に展開していった現代日本画をご覧いただけます。
さらに、女流作家の上村松園を筆頭に、鏑木清方、伊東深水らの美人画のコレクションも充実し、近代から現代に至るまでの日本画の歩みをたどることができる屈指のコレクションとなっています。
これら、約500点に及ぶ所蔵品は、日本画を親しみやすいテーマで紹介する年3回のコレクション展で順次公開しています。